日本人の寿命は、第二次成果大戦が終了し、高度経済成長時代を経て生活水準が向上し、栄養価の高い食べ物をとることができることになったことにより次第に伸び始めています。また、医療技術が向上し、国民皆保険という社会保障制度も充実しているために、誰しもが病気になると適切な診察、治療を受けることができることもその背景にあるといえます。一方で、第二次世界大戦後の日本人の食生活や生活様式が欧米化し、それに伴って従来では少なかったがんの罹患率が増えていることも事実です。日本人の病気による死亡原因としては、脳疾患と循環器疾患と並んでがんが三大原因となってきています。
こうした死亡原因の一つであるがんに対応するため、医学界では、さまざまな研究が行われ、先進医療によるがん治療の水準も飛躍的に高まっています。がんの治療に有効なことは早期発見と早期治療です。がんの初期の段階で、多臓器への転移が認められない場合は、内科的、外科的治療により治療をできるようになり、その後の生存率も飛躍的に高くなっています。がんの早期発見のためには、がん検診が有効であり、ビジネスマンであれば、肺がん対策の胸部X線検査や胃がん対策のためのバリウム検査が一般的に行われるようになってきています。
さらに、最近では、大腸がんのがん検診を一定年齢以上の社員に受診するシステムや市町村でもがん検診を無料で行う自治体が増えています。こうしたがん検診の普及により、早期発見、早期治療が可能となってきています。
コメントする